無名異焼の歴史についての説明

無名異焼(むみょういやき)は新潟県の佐渡ヶ島に伝わる伝統的な陶芸の事を言います
文政2年に伊藤甚平が無名異(当時漢方薬)を使って楽焼を焼いたのが始まりとされており
佐渡金山の金脈近くから産する無名異土(むみょういづち)を用いた、赤い肌を特徴とし
た非常に硬く吸水性の無い「磁器と陶器の中間(せっき)」に分類される焼き物です
| ■ 無名異土 無名異土とは佐渡金山の石英岩欠裂箇所 から産出される鉱物で、一種の赤土です。 この無名異は酸化第二鉄を約95%他マンガン 等などを含有した止血・痛止め外科良薬で 江戸時代では陶器ではなく、薬として販売 されていたものです。 日本では佐渡のほかに石見銀山からも産し 石見無名異焼を制作していましたが、無名異 の原料がなくなると同時に閉窯されたと聞きます。 現在、佐渡金山は世界遺産登録に向けて活動中です | ![]() |
この薬土(無名異)を使って陶器の本焼を始めたのが伊藤富太郎(安政4年)です
しかし、この土は非常にキメが細かく粘着力もなく陶土には向いていなかった
(手で握ると指の間からさらさら落ちていく)
当時は低温焼成だった為、本焼きしても堅くならずに脆かったそうです
そこで初代三浦常山や初代伊藤赤水らが脆かった従来品を強くする為に
先頭に立って精力的に活動をしました
明治6年になってようやく試行錯誤の末、1200度もの高温で焼き締めた
非常に硬く吸水性の無い本焼きの無名異焼が完成した
(無名異焼の名前が定着したのはこの頃からだと言われ、名付親は【勝海舟】とも言われています。)
![]() | ■ 佐渡の伝統 やがて、それぞれの窯元がお互いに模索しあい新しい技術を取り入れ佐渡伝統文化により進化していきます。 現在、無名異焼の窯元の総数は18窯。 全国の陶磁器窯数から考えると非常に少ないです。 外部との交流があまりない島国ならではの発展でしょうか? 他者に影響を与えられる事の無い独創性により無名異という特殊な土を最大限に生かす技術が開花して行きます。 |
| 1997年 三浦小平二の重要無形文化財技術保持者に認定 |
| 異質ともいえる無名異の赤から佐渡の海を思わせる癒しの青色釉薬を施し完成させた青磁で 青磁分野では始めての人間国宝に認定されました。 無名異から大きく巣立っていった三浦小平二氏(東京芸術大名誉教授)は2006年10月3日73歳 でその歴史に幕を閉じました。 しかし、今までに生み出した青磁作品は永遠に生きています。 |
| 2003年 無名異焼は国の重要無形文化財に指定 |
| 佐渡の特殊文化が生んだ伝統工芸技術と特殊土無名異の原料性がこの指定に繋がりました。 技法自体は原始的で時間のかかる技法です。しかし量産品にない陶芸家や工房職人の魂が 一品に込められています。 量産性を重視するあまり時間のかかる手作業を少なくすると言う事は無名異焼では考えられません。 |
| 2003年 伊藤赤水の重要無形文化財技術保持者に認定 |
| 伊藤赤水氏は無名異焼を愛し、佐渡を愛し、扱いにくい異質の無名異土に対し真正面から語り かけていくような方です。 無名異焼の最高技術保持者として人間国宝に認定されました。 その作品には無名異の土の色(赤)をより美しく見せるための窯変(ようへん)や土の色のみで花の 装飾をする練上(ねりあげ)など、無名異の土にこだわったものとなっています。 現在も佐渡相川でさらなる無名異の神秘を探しながらご活躍をされています。 |
現在日本の陶磁器分野での人間国宝に認定されている人は非常に少ないです
その中の2人が無名異から生まれたと言うことを重く受け止めたいと思います
無名異焼も重要無形文化財の指定を受けた事により
伝統を未来へ引き継ぐ・・・そんな重要な役割を与えられました
| ■■■ 店長のひとり言 ■■■ |
| 無名異焼には六古窯(瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前)のような歴史、技術、生産性はありません。 しかし、技術に関しては伊藤赤水(人間国宝)氏がこれからの可能性を与えてくれました。 限られた佐渡金山鉱物・無名異土の資源や伝統工芸であるという意識からも考え、今後も量産は 出来ないと思います。 だからこそ、ひとつひとつ丁寧にクオリティーの高いものを造り続けていけるのだと思います。 無名異焼は決して主役にはならない存在・・・ しかし主役を引き立てることで自らを輝かせる・・・ そんな焼き物であると私は考えています。 備前・常滑などが力強い男性的な陶器であれば、無名異焼は優しく女性的な陶器といえます。 主役達の中に入ることで全体を輝かせるような、そんな焼き物が無名異焼なのだと思います。 皆様の大事な焼き物に、新しい風を吹き込む無名異焼をそっと・・添えてみてください。 無名異焼の優しさは、皆様の大事な焼き物をより力強くしてくれることと思います。 ■ 無名異焼についての感想をお待ちしています。 佐渡の無名異焼職人は外部との交流もあまりなく、一筋で真面目な職人が多いです。 観光おみやげ販売店などで販売されていますが、お客様の声は職人には届きません。 職人達はひたすら時間と手間のかかる伝統工芸を作り続けます。 伝統工芸品は高めの価格設定になってしまいますが一人でも多くの方に使って頂ける事を信じながら・・・ 私は皆様の率直な感想を工房職人の皆さんに直接伝えたいと考えています。 職人にとって一番嬉しい事は「皆様の暖かい声」だと思いますから。 逆に辛い声もあるかもしれません・・・それはこれからの方向性を教えていただける声となります。 勝手なお願いかもしれません。無名異焼職人に作る喜びを与えていきたいと強く願ってます。 |






















佐渡ヶ島の歴史と伝統文化が生み出しだ癒しと美の器 〜無名異焼〜



